博士号取得とアカデミアでの就職活動

まもなく師走に突入しようとしているが、ロサンゼルスのあちらこちらでクリスマスソングが流れる季節になった。2016年は様々大きな変化のある一年であったが、その中でも一番の出来事は博士号取得であった。最終段階に到達するまでの困難は計り知れないものがあったが、本年5月末に無事に博士論文のディフェンスを終えることができた。チェアの一人であったチクセントミハイ教授からも、「フロー理論の拡張に繋がりうる重要な研究結果だ」とのコメントをいただくことができたのもこの上ない喜びであった。

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人気ブログ『PsyBlog』を使って英語で心理学に触れてみる

ここ1年ほど調子の悪かったパソコンも5年目に突入して数ヶ月経ち、遂に作業への支障が出るほどになったので買い替えることとなった。いろいろ迷って調べた結果、MacBook Proを購入(とはい言いつつも周りに乗り換え組が多くいて影響されたのもあるが)。まだいろいろ慣れつつある中だがとても快適だ。ここ最近は、博士論文の文献レビューの執筆に追われている。作業からの休憩もかねて、今回はブログ紹介をしたい。私は普段、ブログ記事や主要論文誌の最新記事をFeedlyというRSSリーダーを利用してチェックしている。そのリーダーに登録しているブログサイトの一つに『PsyBlog』がある。

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ミハイ・チクセントミハイ博士の生い立ち

Mike私の指導教官の一人として日ごろお世話になっているミハイ・チクセントミハイ教授は、今月末の誕生日をもって傘寿を迎えられる。クレアモント大学院大学では、今月6日、長年に亘る彼の功績を称えてのシンポジウムが開催された。多重知能の研究で著名なハワード・ガードナー博士をはじめ、教授の古くからの同僚や共同研究者たちがお祝いを込めた講演を。ロッククライミングを楽しむ教授の若き日の写真に聴衆が驚く一幕も。そして本年11月にはビジネスコンサルタント社さんによる招聘で、チクセントミハイ博士の来日講演が決定している。そんな彼の生い立ちにかねてより興味を持っていたのだが、以前それをまとめる機会があったのでここで紹介させていただきたい。大まかな話は教授がTEDで話されている通りだ。細かな部分に関しては、教授がシカゴ大時代に『Chicago Tribune』誌によって行われたインタビュー記事として掲載されていたり、講義の際に聞いた話もあったので、それらも併せてまとめてみた。 続きを読む

できるリーダーが持つべき資質とは?

今回もまた、『PsyBlog』の記事「The Most Surprising Attribute of Great Leaders」から紹介させていただく(尚、以下の翻訳文は公式のものではないのでご了承願いたい)。今回扱ったのは、リーダーシップ研究に関する最近の論文を紹介した記事だ。リーダーシップの研究は組織心理学、また組織行動学においても非常に活発であり、リーダー個人や文脈、またその相互作用などに焦点を置きながら様々なアプローチが展開されている。その中でも個人の持つ資質に注目をしたアプローチは、早くから研究が進められてきた。今回の記事で紹介されていた論文は、意外にもその重要性が認められた新たな資質について迫ったものだ。

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滞米日記

前回のエントリーから1年以上も経ってしまっていることに驚いた。手軽さからついTwitterでの情報拡散に留まってしまっているが、書き伝えたいことはたまり続けているので少しずつでも更新をしていければと思う。

この夏は、8月頭に参加した経営学会(Academy of Management)で初のフィラデルフィアに行き、そのついでにニューヨークにいる友人にも会いに行った。学会ではトピックの離れた3つの発表を担当させていただいた。大変な準備ではあったが、無事終えた後は充実感と解放感に満たされた。現在は、博士論文の第一章にあたるレビュー論文というものに取り組んでいる。今月も残すところわずか。当初の目標はこのレビュー論文を完成させることであったがもう少しだけ時間がかかってしまいそうだ。 続きを読む

オランダ・ロッテルダムにて短期留学中

画像昨年サンディエゴで行われた米国産業・組織心理学会(SIOP)にて、初めて顔を合わせることとなったオランダのとある教授がいた。職場におけるエンゲージメントやフロー体験の文献を漁る中、彼の名前は何度も目にしており、やっと会えることへの興奮がとまらなかったのを覚えている。ツイッターを通じてこちらから連絡を取り、コーヒーをご一緒する約束を取り付けることに成功。そんな彼との15分ほどの会話は、この上ない有意義なものとなり、今の私のオランダ滞在のすべての発端となった。現在、米国カリフォルニア州より場所を移し、2月中旬よりオランダ・ロッテルダムに来ている。 続きを読む

ある「心理学の仕事」がアメリカで収入ランキングトップ10に

先日、米ニュース専門放送局CNBCが、米国における高額収入の職業のリストを発表した。医者や歯医者、また社長がそれぞれ上位を占めていることには驚かないだろうが、そこに産業・組織心理学者(Industrial-Organizational Psychologist)が、薬剤師、旅客機のパイロット、そして財務管理者などを抑え、第10位にランクインしていたのだ。一般的にあまりお金にならないとされている心理学専攻の常識から考えると驚きの結果であろう。今まさに学んでいる分野でもあるのだが、ランキングに含まれているのは実践家として活躍する人たちのみであり、アカデミアに残ろうと考えている私にとっては、残念ながらあまり縁のない話となってしまう・・・。が、気を取り直して、「心理学の仕事」の一つを簡単に紹介したいと思う。 続きを読む