あなたにとっての仕事とは?:個人と仕事の3つの関係

私がもともと心理学に興味を持ち始めたのは大学時代。アメリカで社会心理学の博士号を取られた日本人教授の熱血授業に魅了された。そんな中、セリグマン博士の書かれた『世界でひとつだけの幸せ(原題:Authentic Happiness)』に出会いポジティブ心理学の存在を知る。ぐいぐいとその世界に引き込まれ、この学問を応用した何かをしたい、と漠然と考えてるようになっていた。様々な相談やアドバイスを受けた末、人が人生の約3分の1(個人差は別として)の時間を費やす仕事という場において心理学を通して貢献したいと決意し、今に至る。自己紹介じみた始まりになってしまったが、今回取り上げたいのは、個人と仕事の関係だ。

1997年に『Journal of Research in Personality』に出された論文の中で、組織行動学のWrzesniewski教授らは、心理学や社会学の文献を引きながら、個人と仕事との関係を「労働」「キャリア」「天職」の3つに分けている。

  • 労働:個人的な充足感はなく、仕事は金銭的、物質的な報酬のためのもの。
  • キャリア:仕事は権力や特権を獲得するため、また自己成長、周りからの承認を得るためのもの。
  • 天職:働くこと自体が目的になっており、仕事そのものが報酬、そして深い意義をもたらす。

これらをふまえ、Wrzesniewski教授らは以下のように記している。

その人にとっての仕事というのは、その人の特質(性格など)を反映しているものであり、仕事の内容自体のことではない。それらの特質が、客観的な仕事の特徴と相互に影響しあうのは十分に可能である。したがって、私たちは主観的な仕事の経験―どう個人が違った仕事経験をしているか―を理解することが重要であると信じている。(p.22)

個人の特質は、価値観や育ってきた環境などにより影響されるが、どの特質がどういった関係の捉え方に影響するか、についてその後の研究の中からぜひとも見つけていきたい。2つの職場における196人の従業員のデータを分析したこの研究の結果として、自分の仕事を「天職」と捉える人と、「キャリア」と捉える人と、「仕事」と捉える人の割合は、どんな仕事においても、1つの会社の同じポジションの従業員間でも、同じくらいの割合だったそうだ。この論文の共著者であるBarry Schwartz教授(『なぜ選ぶたびに後悔するのか』の著者)は、2010年11月のTED Talk (まだ字幕なし)の結びで、人の幸せのために最も重要な要素として、仕事を挙げられている。個人と仕事の関係は、個人の特質が反映されている分、一概にどの捉え方にしなければいけないとは言えない。しかし、Schwartz教授の言うように、人が多くの時間を費やす仕事が、充足感あふれる生活への大切な要素だと考えると、ぜひとも「天職」と呼べる仕事をしていける自分になりたいと感じた。

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  1. とりあえず俺の寿司屋でのバイトは完全に「労働」です笑。
    ぜひとも天職を見つけたいものです。

    • 納得。特に学生の間の仕事はそうなるよね。それでもその経験を単に無駄にしないよう、違う角度から意義を見出そうとするから、人ってすごいなって思うよ。

    • まつい
    • 2011年 1月 14日

    おー、新しくブログ作ったんやねぇ!今後も記事を楽しみにしてます。

    うちは、今ちょうどその仕事の意味を探してるところやよ。
    ただの「労働」に疲れ果ててきて、キャリアや天職を願っているものの、
    自分でも一体何がしたいのかよくわからない。
    あったはずの情熱も夢もいつの間にか、失ってしまって
    路頭に迷っている感じやよ。
    このままいっそ「労働」を続けて、趣味に生きるのもアリかな なんて考えるものの、それには、今以上のお金が必要で、でもお金のためだけに働ける性分じゃないうちからすれば、それは単なる悪循環に思えて・・・

    完全に方向性を失っております。なんだかなぁ。
    でも、記事はとても興味深いと思ったよ。

    • まつい、読んでくれてありがとう!
      どんな時も、「自分」をより理解していくところに戻っていくのかなと感じるよ。
      「必要な」お金がないときほどストレスを感じることはないよね。そういった場合どんな仕事してでも・・・ってなってしまうし。難しい課題、多くの人が抱えてる課題だからこそ、答えを見出す努力をしていきたいと思います!

    • Pita
    • 2011年 1月 19日

    今の仕事が天職だなんて到底思えないよ!!!人生の訓練として捉えないと、毎日働けないー><まついの路頭に迷ってる感じっていう気持ちわかるもん!

    人が多くの時間を費やす仕事が、充足感あふれる生活への大切な要素だと考えると、ぜひとも「天職」と呼べる仕事をしていける自分に

    っていうところ、今いる場所で、自分の使命を見つけ出して、その使命を果たすために行動するっていう哲学やね。

    さっそく日本語でコメントしてるわ・・・英語っていってたのにねw

    • なぜかしかられた気分になってしまった・・・。この課題に真正面から取り組みたくて今の分野を選んだ自分がいるので、ほんまに頑張ります!

  2. もっと早くこの記事に出会いたかったよ。
    俺は天職に就いてることに気付かず辞めてしまったからね。

  1. 2012年 9月 8日

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