2011年 2月 の記事

「強み」を活用する際に覚えておきたい3つのポイント

臨床心理学や精神医学を学ぶ上で欠かせないのが、『精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DMS)』。その対極に位置づけようとしてクリストファー・ピーターソン博士とマーティン・セリグマン博士によって書かれたのが、強みと美徳をまとめた分類ハンドブック『Character Strengths and Virtues: A Handbook and Classification』である。調べたところ、まだ日本語訳はないみたいだ。ポジティブ心理学では、6つの「美徳」と、その中に分類される24もの「強み」が扱われており、例えば、節度という美徳の中には、自制心、慎重さ・思慮深さ、謙虚さ、といった強みがある。そして、個人の強みを見つけるためにこのハンドブックをもとに作られたVIAという尺度がある(リンク参照)。一般的には、『さぁ、才能(じぶん)に目覚めよう』にて紹介されているストレングス・ファインダーを利用し、ご自身の5つの強みを見出された方の方が多いだろう。この二つの尺度の違いについては今回は省かせていただくが、今回、見出した強みを活用する際に考慮すべき3つのポイント―関連性、葛藤、具体性―を紹介したい。 続きを読む

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リーダーシップの授業:分野を越えた議論の面白さ

今学期受講しているクラスの1つにリーダーシップがある。心理学の科目としてオファーされているが、同時にT(Transdisciplinary)コースとも呼ばれ、様々な分野からの知見をベースに特定のトピックに対し、包括的にアプローチするスタイルとなっている(学際研究とも呼ばれている)。受講している学生も心理学のみならず、宗教学、教育学、哲学、情報システムを学ぶ学生が集まっており、毎回の議論も面白さが増す。また、Tコースという点に限らないが、アカデミックな場に長い間いた学生の意見と、現場で様々な経験をしてきた学生の意見とがブレンドする場として、知的刺激に満ちたものにもなっている。この授業の特徴を振り返っていたら、私のかつてのアドバイザーであった教授が、小さなリベラルアーツカレッジに移動した際に直面したある大変さを語っていたのを思い出した。 続きを読む

ワークパラドックス:労働者におけるフロー体験の研究から分かったこと

過去のエントリーでも紹介したが、フロー理論の中では、フローを体験するためには、個人のスキルレベルに合ったチャレンジレベルが必要となる。それでは、仕事の場面において、フロー体験に必要なスキルレベル・チャレンジレベルがそろっていれば、必ずフロー体験そのものにつながるのだろうか?ひょっとするとそうではないのかも知れない、というのが今回の話である。

1989年、『Journal of Personality and Social Psychology』の中で紹介されたCsikzentmihalyi博士、LeFevre博士両者の研究は、78人の労働者を対象にExperience Sampling Method (ESM:経験サンリング法)という方法を使って1週間参加者を追い、彼らの仕事中やレジャー中の心理的経験(フロー、不安、退屈など)について調べたものだ。 続きを読む