採用担当者はあなたのFacebookを見ている?

様々なソーシャルネットワークサイト(SNS)が普及する中、近年、企業の採用担当者が求職者の情報を調べるために、それらのサイトを活用することが多くなってきている(参照ニュース)。2009年に行われた、CareerBuilder.comというアメリカの就職関連サイトの調べによると、45%の採用担当者が、求職者のことを知るためにSNSを利用しているという。また、同じ調べでさらに分かったのが、35%の企業が、SNS上で見つかった好ましくない写真や発言などの情報により、採用を取りやめたことがあるそうだ。ただ、悪い点ばかりではなく、LinkedInなどのプロフェッショナル向けのサイトの情報が、採用者にとって求職者の評価を強める材料になったという報告もある。

SNSによってもたらされたメリットは様々ある。個人の生活の中身を一度に多くの友人に共有できたり、同じ興味を持った仲間と意見や情報を交換したり、さらには、音信不通だった旧友と改めてつながることができるなど様々だ。同時に、公共の生活面とプライベートの生活面の境界線が曖昧になってきていることも確かである。意図していなかった情報を見られてしまったり、自由な発言が時折行き過ぎてしまっていることも起こりうる。こういった場に、将来自分を雇用する企業担当者が足を踏み入れるのは、求職者個人のありのままの姿を探す意味では自然なことなのかも知れない。

気をつけなければいけない点が2つある。1つ目に、もしSNSから得られる情報が採用決定に影響のあるのならば、個人が希望している職務内容に直結しているかどうかという点である。アメリカにおいては、採用決定に実際の仕事と関係のない情報が影響を及ぼしてしまうと、企業側としては法廷に持ち込まれた際に守りきれなくなってしまう。その為、SNSから求職者の重要な情報が得られるというのであれば、それが具体的に仕事にどう関連があるのかを証明しなければいけない。例えば、数少ない研究の中では、オンラインのプロフィールが社交性などの性格を予測するのに有意であったことなどが分かっている。しかし、こういった作業もなかなかスムーズにいかないのが現状である。それが、2つ目にあたるSNS上から得られる情報には一貫性がないという点である。プライバシー設定をしたり、その他の個人設定をカスタマイズしたりできるサイトが多いが、その影響で、企業側として得られる求職者情報にムラが生まれてしまう。そうなると、一貫性のないそれらの情報を、採用基準に使うのは妥当でなくなってしまう。先述したように、多くの企業が採用のプロセスの中にSNS上の情報を利用しているが、細心の注意をはわらないと足をすくわれかねない。

尚、日本においては事情が違うので誤解のないようにお願いをしたいが、Facebookのユーザーが増えてきてる中、今後似たような状況が生まれるかもしれない。SNSのユーザーとしては、特定のサービスを何を目的として使うのか、また、オンライン上における発言や共有する写真等を、誰に、何の為にそうしたいのか―こういった点を改めて考え、明確にしていく必要があるだろう。

参考文献:Brown, V. R., & Vaughn, E. D. (2011). The writing on the (Facebook) wall: The use of social networking sites in hiring decisions. Journal of Business Psychology, 26, 219-225. doi: 10.1007/s10869-011-9221-x

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