滞米日記

前回のエントリーから1年以上も経ってしまっていることに驚いた。手軽さからついTwitterでの情報拡散に留まってしまっているが、書き伝えたいことはたまり続けているので少しずつでも更新をしていければと思う。

この夏は、8月頭に参加した経営学会(Academy of Management)で初のフィラデルフィアに行き、そのついでにニューヨークにいる友人にも会いに行った。学会ではトピックの離れた3つの発表を担当させていただいた。大変な準備ではあったが、無事終えた後は充実感と解放感に満たされた。現在は、博士論文の第一章にあたるレビュー論文というものに取り組んでいる。今月も残すところわずか。当初の目標はこのレビュー論文を完成させることであったがもう少しだけ時間がかかってしまいそうだ。

学問を志す者としては少々恥ずかしいのだが、常にやる気を保ち、勇んで研究に取り組み続けているわけではないのが現状だ。特に夏は自己との挑戦も激しいものとなる。そんな中、ツイッターで紹介されいた『滞独日記』というものに出会った。その日記には、世界に認められていく同級生への複雑な思い、自分の力不足への嘆き、研究という道への迷いなどが綴られている。なじめない異国ドイツでの研究留学の際、筆者は仕事に行き詰まってしまった思いを日本にいる恩師に綴る。やがて届くその返信に思わず男泣きをする。手紙にはこう書かれていた。

業績があがると否とは運です。先が見えない岐路に立っているのが吾々です。それが先へ行って大きな差ができたところで、あまり気にする必要はないと思います。またそのうちに運が向いてくれば当ることもあるでしょう。小生はいつでもそんな気で当てに出来ないことを当てにして日をすごしています。ともかくも気を長くして健康に注意して、せいぜい運がやって来るように努力するほかはありません。

恩師の激励に鼓舞された筆者は、後にノーベル物理学賞受賞の偉業を成し遂げる研究者へと成長されていく。この研究者とは、朝永振一郎教授その人であり、一足先に世界に認められていった彼の同級生とは湯川秀樹教授である。

自分と比べられる次元ではないが、筆者の抱えていた苦悩に大きく共感ができたと同時に、前を向いて研究へのステップをまた一歩進めていこうという思いにさせてくれた。研究のみならず夢に向かって歩んでいる人の多くに当てはまるのではと感じたので、『滞独日記』をぜひ一読していただきたい。

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    • FT
    • 2014年 9月 1日

    この日記に例の件があったわけですね!

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