カテゴリー : ポジティブ心理学

ミハイ・チクセントミハイ博士の生い立ち

Mike私の指導教官の一人として日ごろお世話になっているミハイ・チクセントミハイ教授は、今月末の誕生日をもって傘寿を迎えられる。クレアモント大学院大学では、今月6日、長年に亘る彼の功績を称えてのシンポジウムが開催された。多重知能の研究で著名なハワード・ガードナー博士をはじめ、教授の古くからの同僚や共同研究者たちがお祝いを込めた講演を。ロッククライミングを楽しむ教授の若き日の写真に聴衆が驚く一幕も。そして本年11月にはビジネスコンサルタント社さんによる招聘で、チクセントミハイ博士の来日講演が決定している。そんな彼の生い立ちにかねてより興味を持っていたのだが、以前それをまとめる機会があったのでここで紹介させていただきたい。大まかな話は教授がTEDで話されている通りだ。細かな部分に関しては、教授がシカゴ大時代に『Chicago Tribune』誌によって行われたインタビュー記事として掲載されていたり、講義の際に聞いた話もあったので、それらも併せてまとめてみた。 続きを読む

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笑顔に秘められた10のメリット(後編)

今回は「笑顔に秘められた10のメリット(10 Hidden Benefits of Smiling)」の残りの5つを紹介したい。前編はこちら

6. 洞察力のための笑顔

緊張している時は、私たちの注意は狭くなる傾向性があります。周囲で起きていることに気づくことができなくなり、自分たちの目の前にあることしか見えなくなります。これは、文字通りの意味においても、比喩的な意味においても正しい: 緊張感を覚えたり、ストレスを感じたりしていると、私たちの意識の片隅にあるアイディアに気づくにくくなるのだ。しかし、とある問題に対して洞察を得られるのは、それら周辺にあるアイディアからであることが多い。

そして、そこで笑顔を出すのだ。 続きを読む

笑顔に秘められた10のメリット(前編)

今回紹介したいのはブログ『PsyBlog』の最新記事である。このサイトでは興味深い心理学研究をわかりやすくまとめてくれているのでオススメだ。以下は、「笑顔に秘められた10のメリット(10 Hidden Benefits of Smiling)」と題された記事の前半部分を翻訳したものである。

人は集団の場においてよく笑顔を振りまくが、それは必ずしも彼らが幸せであるというサインではない。むしろかけ離れたものである。私たちは、自分たちにとって有利になる様々なサインを送るため、特別な社交目的を持って笑顔を利用しているのだ。

ここで紹介するのは、笑顔が信頼性、魅力、社交性などのメッセージを送るために使われる 10の方法である。 続きを読む

仕事場における幸せの5つの柱(Psychology Todayより)

ポジティブ心理学における研究は、幸せで充実した生活を送るための要素を見つけ出してきた。これらの要素は、仕事場生活において、よりいっそう関連性がある。ここで、仕事場における幸せのための5つの柱を紹介したい。現在のあなたの仕事場には、何本の柱があるだろうか?どうしたら、仕事場での幸せをつかみ取ることができるだろうか? 続きを読む

「元気づけ」のアウトソーシング:いかに「意味」をもって仕事のモチベーションを上げるか?

先週、現プログラムの博士課程1年目を無事終えた。試験2つとペーパーが全て同日にあったのでなかなか体にこたえたが、終了後は解放感に満たされて特に何もすることなく過ごした。それもつかの間、今週から夏の授業が始まるので、改めて体をアカデミックモードに慣らし始めねばと思い、このエントリーを書くことにした。今回紹介したいのは、約一ヶ月前にツイートしたウォートンスクールのアダム・グラント教授の講演内容である。

彼の研究分野は、個人的にも重なる部分が多く、かつてはプロフェッショナルマジシャンとして活躍されていたみたいなので妙に親近感がわく。今所属するプログラムで来学期に彼を招待するような話が出ていたので、実現を心から望みたい。さて、講演内容だが、従業員の感じる仕事をする上での「意味」が、いかに彼らにそして組織全体に影響をもたらすことをうまく説明してくれている。以下、グラント教授の話をまとめたものである。元のビデオには字幕はないが、参考のために付け加えておいた。

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チクセントミハイ博士から日本へのメッセージ:”Welcome to the New Japan” 

3月11日の東北大震災から早くも2ヶ月が経とうとしています。被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。また、被災地の早期の復興を日々お祈り致します。被災地の惨状を思うと、胸の詰まる思いと同時に、海を挟んだ場所にいる自分の無力感で一杯になります。そんな気持ちと多忙さから、しばらくブログをアップデートできずにいましたが、改めてきちんと再開しようと思いますのでよろしくお願いします。

先月下旬にチクセントミハイ博士のオフィスで研究について語っていた時のことであった。その時に日本ポジティブ心理学協会より日本へのメッセージを依頼されていた話をしてくださった。内容が気になっていたが、同協会ホームページに掲載されていたので紹介したい。以下の内容は一般社団法人日本ポジティブ心理学協会(JPPA)ホームページより転載したものである。 続きを読む

実践知(Practical Wisdom)とは?:アリストテレスがポジティブ心理学に出会う

先日のエントリーで紹介させていただいた実践知(Practical Wisdom)というコンセプトを紹介させていただいたが、今回さらに詳しく踏み込んでいきたい。コンセプトそのものは、アリストテレスの提唱したフロネシス(Phronesis)という概念にさかのぼり(つまり、真新しい考えではないということ)、賢慮(Prudence)、実践的推論(Practical Reason)、実践的知恵(Practical Wisdom)を意味する言葉である。アリストテレスの概念にはここではあまり深入りしないが、より良い生活を送るためには、様々な美徳を場面や状況のニーズに応じてうまく活用、そして調和していくべきである、というのが彼の考え方である。そして、それらの美徳を統合する「マスター美徳」としてフロネシス(実践知)を提唱している。 続きを読む