タグ : 研究生活

滞米日記

前回のエントリーから1年以上も経ってしまっていることに驚いた。手軽さからついTwitterでの情報拡散に留まってしまっているが、書き伝えたいことはたまり続けているので少しずつでも更新をしていければと思う。

この夏は、8月頭に参加した経営学会(Academy of Management)で初のフィラデルフィアに行き、そのついでにニューヨークにいる友人にも会いに行った。学会ではトピックの離れた3つの発表を担当させていただいた。大変な準備ではあったが、無事終えた後は充実感と解放感に満たされた。現在は、博士論文の第一章にあたるレビュー論文というものに取り組んでいる。今月も残すところわずか。当初の目標はこのレビュー論文を完成させることであったがもう少しだけ時間がかかってしまいそうだ。 続きを読む

オランダ・ロッテルダムにて短期留学中

画像昨年サンディエゴで行われた米国産業・組織心理学会(SIOP)にて、初めて顔を合わせることとなったオランダのとある教授がいた。職場におけるエンゲージメントやフロー体験の文献を漁る中、彼の名前は何度も目にしており、やっと会えることへの興奮がとまらなかったのを覚えている。ツイッターを通じてこちらから連絡を取り、コーヒーをご一緒する約束を取り付けることに成功。そんな彼との15分ほどの会話は、この上ない有意義なものとなり、今の私のオランダ滞在のすべての発端となった。現在、米国カリフォルニア州より場所を移し、2月中旬よりオランダ・ロッテルダムに来ている。 続きを読む

マジシャンはいかに観客の注意をコントロールしているのか?

秋学期も終わりが近づいており、周りはサンクスギビングのホリデイムード満点な状態にある。残ったわずかな時間に対する課題・プロジェクトの量が半端ないのは、常々この時期になると感じる(涙)。今学期とっている授業の中に、ティーチングセミナーという将来教授職を目指す博士課程の学生のためのクラスがある。その中の課題の1つに、心理学のコンセプトを教える際に効果的に使える5分間ほどのビデオクリップを探すというものがあった。前回のエントリー以来だいぶ時間が経ってしまっているが、この課題のために見つけたクリップを紹介したい。

心理学の入門教科書に必ず出てくるテーマに「脳と意識」がある。個人的に専門分野ではないが、非常に面白い研究が数多くある。次の質問についてしばらく考えてもらいたい。 続きを読む

気になって仕方なくなっていたとある研究者

ここ数日の間、とある研究者の名前を別の人から何度も聞くという出来事が起こり、気になって仕方なくなっていた。ハーバード・ビジネス・スクールにて教鞭を執っているテレサ・アマビル(Teresa M. Amabile)教授である。最初に彼女の名前を目にしたのは、モチベーション関連の文献を探していた時であった。職場においては、内発的動機付けと外発的動機付けが複雑に絡み合っているだろうとの考えを、何らかの形で発展させることができないかと思っていた矢先に見つかったのが彼女が1993年に『Human Resource Management Review』から出版された論文であった。そのタイトルも「Motivational Synergy: Toward New Conceptualization of Intrinsic and Extrinsic Motivation in the Workplace(モチベーションの相乗効果:職場における内発的動機付けと外発的動機付けの新しい概念化に向けて)」となっている。タイトルとアブストラクトを見る限り、すでに考えていたことがやられてしまっている感覚に思わず落胆してしまったが、じっくり読んでから改めて紹介したいと思う。 続きを読む

チクセントミハイ博士から日本へのメッセージ:”Welcome to the New Japan” 

3月11日の東北大震災から早くも2ヶ月が経とうとしています。被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。また、被災地の早期の復興を日々お祈り致します。被災地の惨状を思うと、胸の詰まる思いと同時に、海を挟んだ場所にいる自分の無力感で一杯になります。そんな気持ちと多忙さから、しばらくブログをアップデートできずにいましたが、改めてきちんと再開しようと思いますのでよろしくお願いします。

先月下旬にチクセントミハイ博士のオフィスで研究について語っていた時のことであった。その時に日本ポジティブ心理学協会より日本へのメッセージを依頼されていた話をしてくださった。内容が気になっていたが、同協会ホームページに掲載されていたので紹介したい。以下の内容は一般社団法人日本ポジティブ心理学協会(JPPA)ホームページより転載したものである。 続きを読む

『予想通りに不合理』の著者ダン・アリエリー教授に会う

昨日、行動経済学者ダン・アリエリー(Dan Ariely)教授のレクチャーに参加する機会があった。彼は認知心理学と経営学の博士号を取得されている。内容的には2009年の彼のTEDでの話(動画参照)と重なる部分もあったので、どんな話を聞いてきたかはそれをご参照いただきたい。興味深かった内容は、「アリエリー教授の講義録」として数点ではあるがツイートさせていただいた。過去に、『予想通りに不合理(原題:Predictably Irrational)』という彼の著書を興味深く読ませていただいた。そして昨年には『不合理だからすべてがうまくいく(原題:The Upside of Irrationality)』という新著が出されている。まだチェックできていないので機会を見つけて読みたい。 続きを読む

リーダーシップの授業:分野を越えた議論の面白さ

今学期受講しているクラスの1つにリーダーシップがある。心理学の科目としてオファーされているが、同時にT(Transdisciplinary)コースとも呼ばれ、様々な分野からの知見をベースに特定のトピックに対し、包括的にアプローチするスタイルとなっている(学際研究とも呼ばれている)。受講している学生も心理学のみならず、宗教学、教育学、哲学、情報システムを学ぶ学生が集まっており、毎回の議論も面白さが増す。また、Tコースという点に限らないが、アカデミックな場に長い間いた学生の意見と、現場で様々な経験をしてきた学生の意見とがブレンドする場として、知的刺激に満ちたものにもなっている。この授業の特徴を振り返っていたら、私のかつてのアドバイザーであった教授が、小さなリベラルアーツカレッジに移動した際に直面したある大変さを語っていたのを思い出した。 続きを読む