タグ : 論文紹介

できるリーダーが持つべき資質とは?

今回もまた、『PsyBlog』の記事「The Most Surprising Attribute of Great Leaders」から紹介させていただく(尚、以下の翻訳文は公式のものではないのでご了承願いたい)。今回扱ったのは、リーダーシップ研究に関する最近の論文を紹介した記事だ。リーダーシップの研究は組織心理学、また組織行動学においても非常に活発であり、リーダー個人や文脈、またその相互作用などに焦点を置きながら様々なアプローチが展開されている。その中でも個人の持つ資質に注目をしたアプローチは、早くから研究が進められてきた。今回の記事で紹介されていた論文は、意外にもその重要性が認められた新たな資質について迫ったものだ。

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気になって仕方なくなっていたとある研究者

ここ数日の間、とある研究者の名前を別の人から何度も聞くという出来事が起こり、気になって仕方なくなっていた。ハーバード・ビジネス・スクールにて教鞭を執っているテレサ・アマビル(Teresa M. Amabile)教授である。最初に彼女の名前を目にしたのは、モチベーション関連の文献を探していた時であった。職場においては、内発的動機付けと外発的動機付けが複雑に絡み合っているだろうとの考えを、何らかの形で発展させることができないかと思っていた矢先に見つかったのが彼女が1993年に『Human Resource Management Review』から出版された論文であった。そのタイトルも「Motivational Synergy: Toward New Conceptualization of Intrinsic and Extrinsic Motivation in the Workplace(モチベーションの相乗効果:職場における内発的動機付けと外発的動機付けの新しい概念化に向けて)」となっている。タイトルとアブストラクトを見る限り、すでに考えていたことがやられてしまっている感覚に思わず落胆してしまったが、じっくり読んでから改めて紹介したいと思う。 続きを読む

採用担当者はあなたのFacebookを見ている?

様々なソーシャルネットワークサイト(SNS)が普及する中、近年、企業の採用担当者が求職者の情報を調べるために、それらのサイトを活用することが多くなってきている(参照ニュース)。2009年に行われた、CareerBuilder.comというアメリカの就職関連サイトの調べによると、45%の採用担当者が、求職者のことを知るためにSNSを利用しているという。また、同じ調べでさらに分かったのが、35%の企業が、SNS上で見つかった好ましくない写真や発言などの情報により、採用を取りやめたことがあるそうだ。ただ、悪い点ばかりではなく、LinkedInなどのプロフェッショナル向けのサイトの情報が、採用者にとって求職者の評価を強める材料になったという報告もある。 続きを読む

笑顔に秘められた10のメリット(後編)

今回は「笑顔に秘められた10のメリット(10 Hidden Benefits of Smiling)」の残りの5つを紹介したい。前編はこちら

6. 洞察力のための笑顔

緊張している時は、私たちの注意は狭くなる傾向性があります。周囲で起きていることに気づくことができなくなり、自分たちの目の前にあることしか見えなくなります。これは、文字通りの意味においても、比喩的な意味においても正しい: 緊張感を覚えたり、ストレスを感じたりしていると、私たちの意識の片隅にあるアイディアに気づくにくくなるのだ。しかし、とある問題に対して洞察を得られるのは、それら周辺にあるアイディアからであることが多い。

そして、そこで笑顔を出すのだ。 続きを読む

笑顔に秘められた10のメリット(前編)

今回紹介したいのはブログ『PsyBlog』の最新記事である。このサイトでは興味深い心理学研究をわかりやすくまとめてくれているのでオススメだ。以下は、「笑顔に秘められた10のメリット(10 Hidden Benefits of Smiling)」と題された記事の前半部分を翻訳したものである。

人は集団の場においてよく笑顔を振りまくが、それは必ずしも彼らが幸せであるというサインではない。むしろかけ離れたものである。私たちは、自分たちにとって有利になる様々なサインを送るため、特別な社交目的を持って笑顔を利用しているのだ。

ここで紹介するのは、笑顔が信頼性、魅力、社交性などのメッセージを送るために使われる 10の方法である。 続きを読む

「強み」を活用する際に覚えておきたい3つのポイント

臨床心理学や精神医学を学ぶ上で欠かせないのが、『精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DMS)』。その対極に位置づけようとしてクリストファー・ピーターソン博士とマーティン・セリグマン博士によって書かれたのが、強みと美徳をまとめた分類ハンドブック『Character Strengths and Virtues: A Handbook and Classification』である。調べたところ、まだ日本語訳はないみたいだ。ポジティブ心理学では、6つの「美徳」と、その中に分類される24もの「強み」が扱われており、例えば、節度という美徳の中には、自制心、慎重さ・思慮深さ、謙虚さ、といった強みがある。そして、個人の強みを見つけるためにこのハンドブックをもとに作られたVIAという尺度がある(リンク参照)。一般的には、『さぁ、才能(じぶん)に目覚めよう』にて紹介されているストレングス・ファインダーを利用し、ご自身の5つの強みを見出された方の方が多いだろう。この二つの尺度の違いについては今回は省かせていただくが、今回、見出した強みを活用する際に考慮すべき3つのポイント―関連性、葛藤、具体性―を紹介したい。 続きを読む

ワークパラドックス:労働者におけるフロー体験の研究から分かったこと

過去のエントリーでも紹介したが、フロー理論の中では、フローを体験するためには、個人のスキルレベルに合ったチャレンジレベルが必要となる。それでは、仕事の場面において、フロー体験に必要なスキルレベル・チャレンジレベルがそろっていれば、必ずフロー体験そのものにつながるのだろうか?ひょっとするとそうではないのかも知れない、というのが今回の話である。

1989年、『Journal of Personality and Social Psychology』の中で紹介されたCsikzentmihalyi博士、LeFevre博士両者の研究は、78人の労働者を対象にExperience Sampling Method (ESM:経験サンリング法)という方法を使って1週間参加者を追い、彼らの仕事中やレジャー中の心理的経験(フロー、不安、退屈など)について調べたものだ。 続きを読む